5月は聖母マリアの月 5月9日(金)

 5月2日の夜から3日の朝にかけて、私は本校の生徒6人と一緒に、カトリック教会が主催する津和野の「乙女峠夜間巡礼と乙女峠まつり」に参加してきました。この乙女峠まつりは、毎年5月3日に島根県津和野町で行われるキリスト教のまつりで、全国から約二千人くらいのカトリック信者が参加しています。「まつり」といっても一般的な夏祭りや秋祭りなどとはまったく違い、いわゆるキリスト教の信仰のために命を捨てた人々、すなわち「殉教者」をたたえる祭りです。小さな津和野の町を信者たちが祈りや歌をささげながら行列します。毎年、萩光塩学院の生徒はこの祭りの中で、聖母マリア像を担ぐ役を受けています。
 ところで、皆さんは、日本におけるキリスト教の歴史を知っていますか。キリスト教は、1549年にフランシスコ・ザビエルによって日本に伝えられ、その後西日本を中心に一時広まりを見せましたが、豊臣秀吉以後、禁止され、明治時代のはじめまでキリスト教を信じることは許されませんでした。しかし、そんな中、隠れキリシタンと呼ばれた人々がひそかにキリスト教の信仰を守り通していましたが、1865年、長崎の浦上というところで何千人という隠れキリシタンが役人にとらえられ、改宗させるため全国各地へ流されました。そのうちの153人が津和野に連れてこられ、改宗を迫られましたが、神への信仰を貫き通して37人の信者が乙女峠で殉教しました。萩にも約300人が連れてこられ、多くの殉教者が出ています。
 さて5月は、聖母マリアの月です。カトリック教会ではイエス・キリストの母、すなわち神の母である聖母マリアをたたえ、聖母マリアへの信仰を強めるために特別に祈ります。神と自分とのかかわりについても黙想します。学院の5月のテーマは「かかわり」です。私たちは、ともすると、他人や物とのかかわりだけに目を向けがちですが、自分自身とのかかわりをおろそかにしてはいないでしょうか。本当の自分を知り、ありのままの自分を受け容れること、謙虚な気持ちで自分自身とかかわることは人間にとってとても大切なことではないでしょうか。自分自身をありのままに見つめるとき、そこには必ず神のはたらきがあります。神とかかわるということは、それほどむずかしいことではないと思います。縁あって、萩光塩学院に入学した皆さん、ときどきは自分自身を静かに見つめ、神とのかかわりをもってください。