1学期終業式 7月16日(木)

 ◎校長先生のお話◎
 台風11号の影響で1日早い終業式となりました。皆さんにとっては少し嬉しい出来事かもしれませんが、明日は皆さんの安全確保のための臨時休校です。外出は控え、事故のないように努めてください。
 さて、皆さんにとってどんな1学期だったでしょうか。
 私にとっては、生徒の皆さんに大きな事件や事故・病気などがなく、無事に1学期を終えようとしていることが何よりうれしいことです。
 今日は、夏休みを前に、私の体験から少しお話しをしたいと思います。最近、私の親戚が古いビデオテープをDVDに保存し直す作業を手伝ってくれています。昔は必死にとったビデオも普段見ることはないのですが、親戚がこの作業を行ってくれることで再び見る機会ができました。私たちが子供の頃は、ビデオカメラが普及していませんでしたから、自分のものは全くありません。ほとんどが子供たちのものです。そんな時、親戚の方が持ってきてくださったDVDの中に、私の奥さんの高校時代のものがありました。内容は「バレーボールのインターハイ予選山口県大会決勝」で、NHKが放送したものを録画していたものでした。彼女は小4でバレーを始め、中学校では山口県大会・中国大会で優勝し、当時県内ではバレーの2強と言われた高校に進学しました。しかし、この頃、その学校はライバルだった学校になかなか勝てず、彼女が高3の年も前評判は当然ライバル校有利という状況でした。しかし決勝戦では、大接戦の末ライバル校を破って全国大会出場を果たしました。キャプテンだった彼女は試合後のインタビューで、その時の心境を語っていましたが、その様子は、目つきも鋭く興奮状態で、見るからに体内のアドレナリンが吹き出しているといった状態でした。青春時代にひとつのことに夢中になって、がむしゃらに突き進んでいた素晴らしい表情でした。「3年間親元を離れた寮生活で、先輩後輩の厳しい上下関係の中で、朝から晩まで部活ばかりの息つく暇もない辛くて、苦しい経験だった」とも言っていますが、中学・高校時代にこんなに打ち込めるものがあったことは本当に素晴らしいことだと思います。彼女の高校時代のビデオを見て、私も自分の学生時代を鮮明に思い出しました。
 私は学生の頃、ある映画に憧れていました。それは「スタンドバイミー」という映画です。皆さんは、この映画を知っていますか?この映画は、夏休みに4人の少年が、冒険の旅に出るという話です。鉄橋を歩いて渡っていて列車に追いかけられたり、池で泳いでいたら大量のヒルに襲われたり、いろんな体験をします。4人の少年は、それぞれ貧しかったり、両親が精神を病んでいたり、幼いなりにそれぞれのつらい複雑な現実を抱えていました。この映画が公開されたのは、私がちょうど高校生の頃でした。それ以来私は毎年夏休み前になると、こんな壮大な冒険をしてみたいと思うようになりました。
 なぜ、今日皆さんに、このような話をしたのか。「夏休みだから映画を観なさい、冒険をしなさい」と言いたいわけではありません。また「部活動で県1位になりなさい」ということが言いたいわけでもありません。
 私は、「28才の夏にお前は何をしていたか」と聞かれたら、すぐには答えられません。 では、「38才の夏はどうだったか」と聞かれても答えられません。でも、「15才や18才の夏はどうだったか」と聞かれれば鮮明に記憶しています。 中学・高校時代というのは、特別な時間だと思います。青春という言葉で語られるほど美しくはありません。どちらかというと、苦しくて、惨めで、つらい時期だと思います。どうか、私たちがそうであったように皆さんにもこの時期をがむしゃらに藻掻いて欲しいと思います。何かに夢中になって、もがき苦しみ、そしてその中からひとつずつ壁を乗り越えていく。その体験が、これからの皆さんの人生の基礎を作ってくれるのです。
 さて、明日からつかの間の夏休みです。夏休みとはいっても、皆さんは多忙だと思います。部活動やワークショップ、中3は修学旅行、世界スカウトジャンボリーの語学ボランティア、おもてなしボランティアなど、いつもよりたくさんの行事や活動があります。時間を上手に使って、皆さんの心に残るような経験ができることを願っています。
 暑さに負けず、健康に気をつけて充実した夏休みを過ごしてください。
 2学期の始業式で、またひとまわり成長した皆さんに会えることを楽しみにしています。