3学期終業式 3月18日(金)

【3学期終業式】

 おはようございます。今日で3学期が終わり、平成27年度が終了します。

 2月29日には高3が、3月12日には中3が、この学校を巣立って行きました。私はここ数年、卒業式や開校記念ミサなどで、皆さんの歌を歌う姿にとても感動しています。一人ひとりが自分の任されたパートを大きな声で、しっかりと歌い、ひとつひとつの行事をより良いものにしています。皆さんの歌声を聴いていると、本当に良い気持ちになります。3年生が抜けても、4月から入学してくる新入生に、この素晴らしい歌声を引き継ぎ、来年度もこの体育館にきれいな声を響かせてください。

 さて、今日は『ことば』について話したいと思います。私たちは毎日の生活の中で、人のことばによって勇気づけられたり、感動したり、幸せな気持ちになったりします。逆にがっかりしたり、 嫌な気持ちになったりすることもあります。ことばが人に与える影響はとても大きいものです。朝「おはよう」と挨拶されて、それも笑顔付きならとびきり嬉しいし、反対に「おはよう」と声をかけても、何の返事もなかったらがっかりします。

 皆さんが「嬉しい」、「幸せだ」と感じる時はどんな時ですか?例えば、自分が人にしてあげたことで「ありがとう」と感謝された時、自分の良さを褒められた時、自分のしたことを評価された時には、きっと嬉しくて、元気が出て、さあ頑張ろうという気持ちになるはずです。逆に落ち込んだり、嫌な気持ちになったりするのは、気持ちが分かってもらえなかった時、きつく叱られた時、傷つくことばを浴びせられた時ではないでしょうか。『ことば』によって、人は元気にもなれば、落ち込んだりもします。

 神戸女学院大学の名誉教授で、思想家、武道家でもある内田樹さんという方は、『ことば』も一つの贈り物だと考え、『贈与経済』というユニークな考えを唱えています。『贈与経済』とは、自分のところに来たものは、そのままにしておかないで、誰かに渡す(パス)するというものです。お金でも商品でも、情報、知識、何でも、もちろん『ことば』でも、自分のところに止めておかないで、良いものは、人の間をぐるぐる回していくべきだというのです。

 内田さんは様々な問題を抱えた現在の社会を眺め、私たちの生き方について次のようなことも言っています。「私たちの意識を、批判することから提言することへ、壊すことから創り出すことへ、排除することから受け容れることへ、傷つけることから癒すことへ、社会全体で、力を合わせて、ゆっくりと、しかし後戻りすることなくシフトしていくべき時期が来た」と。

 現在は、社会における人間関係が昔とは大きく変化しています。人間同士が孤立しないで、共に助け会い、共に生きていく社会にしていくことが強く求められています。勇気づけられる『ことば』をもらったら、それを『贈り物』と考えて、そのお礼として、すばやく次の人に勇気づけることばを贈る。人から親切にされたら、なるべく間をおかないで、今度は別の人に親切をパスする。このような温かな贈り物のパスがくるくる回れば、私たちの社会は、きっと思いやりと安心に満ちたものとなるはずです。

 萩光塩学院の全ての皆さんが、仲間を敬い、嬉しい気持ちにさせる『ことば』を贈る。そして贈られた人が次々とパスしていく。ことばだけでなくて手助け、知識、能力、ユーモア、そして最初に話した大きな歌声なども贈り、もらった人がどんどんパスしていけば学校の居心地はもっともっと良くなると思います。決して人を嫌な気持ちにさせたり、傷つけたりすることばや行いを贈ってはいけません。『ことば』は大切に、美しく使うべきものだからです。

 4月から新しい年度が始まります。皆さんの益々の活躍を期待して平成27年度最後のあいさつといたします。