高校 卒業式 2月29日(月)


校長式辞 
 
 数十年ぶりの大雪から早一か月が経ち、大地の温もりと天上からの日差しを感じさせる今日の佳き日、多数のご来賓の皆様のご臨席のもと、ここに平成二十七年度萩光塩学院高等学校卒業証書授与式を挙行できますことは、卒業生はもとより、私たち教職員にとりましても、この上ない喜びです。心より感謝とお礼を申し上げます。
 また、保護者の皆様、本日はお子様のご卒業、おめでとうございます。人生で最も多感で、しかも著しく成長したお子様が、こうして卒業の日を迎えられましたことは、感慨もひとしおかと思います。この間、本校の教育活動のために、多大なご支援とご協力を賜りましたこと、教職員を代表し、あらためて厚くお礼申し上げます。
 そして、只今卒業証書を授与いたしました卒業生五十二名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。今皆さんは、この学院での様々な出来事を思い出として振り返りながらも、希望と喜びにあふれていることと思います。皆さんは、入学以来、「世の光・地の塩」の建学の精神のもと、学業のみならず、部活動や学校行事に全力で取り組んできました。この三年間、学校生活の様々な場面を通じて、心身を鍛えるとともに、一生の財産となる仲間との友情も育んできたと思います。その姿は、私たち教職員にとって、誇りであり、エネルギーの源でした。私たちは皆さんの努力に敬意を表すとともに、この学院において皆さんと出会い、ともに学ぶことができたことに大きな喜びを感じています。
 さて、卒業生の皆さん、皆さんはこれから大人となって加わっていく社会について、どのようなイメージを持っているでしょうか。少子高齢化により社会福祉に大きな不安があり、災害や環境・エネルギー問題、景気の浮き沈みや産業の国際競争激化など、国内外に課題は山積みです。そんな将来に明るい希望や展望を見いだせないでいる人も少なくないでしょう。しかし、忘れないでください。神様が造られたこの世界は常に新たな希望へとつながっています。そして、皆さんの未来は決まっているものでなければ、与えられるものでもなく、これから自らの手で作り出すものです。私は、このような時代だからこそ、若い人たちの知恵と努力を結集し、未来を切り開いて欲しいと願っています。萩市の将来にとって、日本の将来にとって、皆さんのような若者は、かけがえのない財産です。今はまだ、自分が社会に対してどれほどの影響力を持っているのか、実感できる人は少ないかもしれませんが、皆さんは間違いなくこの萩の将来を、この国の将来を背負い、導いていく人材であり、またその責任を負っている人たちです。
 三学期の始業式で話したことを覚えているでしょうか。私はこれから社会に飛び出していく若い世代の人たちに、学力と共に『人間力』を身につけて欲しいという話をしました。人間力とは、自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力です。言い換えれば、人としての魅力だと言えるでしょう。これから皆さんが飛び出していく厳しい社会の中で、有意義な人生を歩んでいくためには、学力と人間力をバランスよく身につけることが重要です。
 吉田松陰先生は松下村塾で、時代を変えるような高い人間力を持った人材を多く育てました。松陰先生が塾生たちに繰り返し推奨したことは、志を立てること、書物を読むこと、友を選ぶことの三つだったそうです。心を奮い立たせるような志を持ち、人間力を高めるような本を読み、お互いの人間性を磨き合える仲間と出会う。そんな教えの中から、日本を変えた萩の偉人たちは生まれました。
 私たち萩光塩学院も創立者マドレ・マルガリタの教えを引き継ぎ、学力を基礎とした人間力を身につけるための教育を実践してきました。ホームルームで学院の精神を学び、宗教の授業や多くの学校行事をとおして、他者とのかかわりを学び、修学旅行では異文化に触れるなど、広い視野で物事を見、考え、判断して行動する。そして、どのような人にも真心をもって接し、共に歩んでいくことの大切さを先生方や仲間と共に学んできたと思います。
 私たち教職員は、今日、光塩を卒業される皆さんが、自分の足でしっかりと立ち、周りの人が何を望んでいるのか考えながら、自分らしく生きていくことができるように願っています。そして、この学院で学んだことを土台として、さらに高い人間力を身につけ、魅力的な大人として社会に認められる存在になることを信じています。
 終わりに、皆さんが入学した時の校長シスター佐藤も、今日の卒業を喜んでいらっしゃることと思います。シスター佐藤との思い出を語ることができる卒業生も皆さんで最後になります。萩光塩での思い出とともに、いつまでも皆さんの心の中にシスター佐藤がいらっしゃることも忘れないでください。
 卒業される皆さん、皆さんがこれからの歩みの中で「自分の周りに喜びと光をまく」ことができる魅力的な人となって、社会に貢献できるよう祈念するとともに、萩光塩学院を卒業されてからも見守り、応援していくことを約束してお祝いの言葉といたします。