喜び 7月1日(金)

 今日から7月です。今月の学院のテーマは「喜び」です。
皆さんのように中学生・高校生にもなると、幼い子どものように目を輝かせて毎日を過ごすことが少なくなってきていると思います。そして「喜んで毎日生活していますか?」と質問されても、なかなか「はい」とは言いづらいのではないでしょうか。私の中学・高校時代も「勉強は面倒くさい」「親や先生はうるさい」といつも不平不満を言っていた気がします。今ではとても反省しています。
 思春期・青年期は必ずしも「嬉しい」「楽しい」ことばかりではなく、ある意味では「つらい」「しんどい」あるいは人間関係や自分自身との対決で疲れ、悩んでいる時期かもしれません。でも、この時期も皆さんが立派な大人になるためには必要な時間だと思います。私は、悩み、苦しまない人なんかいないと思うし、もしそんな人がいたとしたら、その人の人生なんて最終的にはちっぽけなものになってしまうと思います。それくらい思春期・青年期に悩み苦しむ体験をすることは大切で、その体験が次の大きな喜びに繋がっていくものだと信じています。
 私は萩生まれの萩育ちで、地元は越ケ浜という漁村です。昔は、漁業に従事している人が多く、その関係で顔の色が黒く、声も大きく言葉遣いも乱暴で、怖い感じの人がいっぱいいました。でも私は、小さい頃からそんな地元のおじさん、おばさん、おじいさんやおばあさんと話しをするのが好きでした。今でも時々長話をします。私は年配の人の苦労話や自慢話が好きなのではなく、実は、その人たちの顔や姿、立ち振る舞いに惹かれているのです。皆落ち着いて、自信と喜びに満ちた表情をしているからです。年取ったおじいさんやおばあさんの姿には、自分の仕事や生き方に、精一杯エネルギーを費やしたことへの充実感が表れています。皆さんの身近なところにも本当に良い表情をした年配の方がいらっしゃるでしょう。
 一生涯、家と畑の往復で人生を終えようとしているおばあさん。海をこよなく愛し、海の素晴らしさも、怖さも全て知り尽くしている漁師のおじいさんなどに出会うと、その人達の人生は他の人と比較することではなく、自分自身の人生として本当に満足していることがよく伝わってきます。 
 私は「喜び」とは、「嬉しい・楽しい」だけではなく、心の奥から出る「安心感や充実感」だと思っています。今の皆さんはまだ若くて、長い人生を過ごしてきた人のような喜びを感じることは難しいかもしれません。しかし、毎日の積み重ねが人生ですから、今自分ができること、自分がしなければならないことに誠実に取り組むこと、そして目標をもって辛さに耐えていくことなど、日々の努力が喜びにかわると信じて毎日を過ごしてください。

 来週から期末テストが始まります。学習も毎日の積み重ねが力となり、自分の将来に必ず役立ちます。暑さや梅雨のうっとうしさを理由にせず、精一杯の努力をしてください。そして追試やレポート提出のない気持ち良い学期末を迎えましょう。