朝礼のことば 9月29日(金)

 皆さんは「塩梅」という言葉を知っていますか。

 塩味に梅酢を加えて調節するとおいしくなることから、この塩に梅という漢字を使って「あんばい」と読みます。

 塩味も、酸っぱい味もとても強い味ですが、両方をあわせると、どちらか一方、もしくは両方の味が和らぎます。これを利用した料理には「梅干し」はもちろん、「すし飯」「しめさば」などがあります。

 岩手県の方言では、この「塩梅」が訛って「やんべ」となります。これは「ちょうどよい」という意味だけではなく、「肩の力をぬいて」とか「だいたいに」という意味にもなります。さらに「やんべ」が変化し、「やんべ」の頃合いという意味の「やんべこれ」に変わります。

 私はこの「やんべこれ」という言葉が好きです。

 私はどうしても怒りを感じると、表情に現れ、また厳しい言葉で相手に詰め寄ってしまします。さらにこの怒りは何日も心の中で渦巻き、ある日爆発します。自分でもこのことが分かっているので、そうならないように、早い段階で、またこの怒りが爆発する前に処理します。これは、人に話を聞いてもらったり、考えないようにしたり、全く違うことをしたり、距離を置くことがこれにあたります。

 先日、私が岩手のよく見ているインターネットのサイトにこのような記事がのってありました。

 「誠実に一生懸命やることは基本だけど、そのことで仲間の気持ちがいっぱいいっぱいになっているなと感じたら、やんべな時を過ごすこと。そして大事なこと以外は、失敗とか、余計なこととか、すぐ忘れてしまうこと。また性格上、細かいことをいう人には「いいがらよぉ~」って恥をかかせないように、爽やかに言うの。やんべこれになぁ」

 久しぶりに岩手の言葉を思いだし、たくさんの人に支えられ、この言葉をかけていてもらっていた頃の自分を思い出しました。自分が悩み、思い詰めているときにそれに気づき、話を聞き「やんべこれにするんだ」と声をかけてくれた人。

 今度は私が、やんべこれの時を自分で過ごせるように、また相手にもやんべな時をすごしてもらえるようにと思い返しました。

 塩味と酸っぱい味のように、両方の味でお互いのよさを出し合い、おいしく料理を変化させるように、相手を思いやれる人になりたいと思いました。

 今日は9月29日です。「食う肉の日」ですが、今日の夜は久しぶりに「しめさば」を食べたいと思います。