高校卒業式 2月28日(水)

 穏やかな陽射しのなかで、新しい生命が躍動する春を迎えました。明治維新百五十年を迎え、新たな時代の幕開けとなった今日の佳き日、平成二十九年度萩光塩学院高等学校卒業証書授与式を挙行するにあたり、多数のご来賓の皆様のご臨席と、保護者の皆様のご列席を賜り、厳粛のうちにも心温まる卒業式を執り行うことができますことは、卒業生はもとより、私たち教職員にとりましてもこの上ない喜びです。心より感謝申し上げます。

 只今、卒業証書を授与いたしました四十七名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。また、保護者の皆様、本日はお子様の御卒業、誠におめでとうございます。心よりお祝いを申し上げますとともに、入学以来三ヶ年に亘り、本校の教育活動に深い御理解と、温かい御支援を賜りましたことに、謹んでお礼を申し上げます。誠にありがとうございました。

 さて、卒業生の皆さん、皆さんは今、伝統ある萩光塩学院の卒業生として、輝きに満ちた新しき世界への第一歩を踏み出そうとしています。本日の栄えある卒業は、皆さん一人ひとりの向学心と、弛まぬ努力の賜であることは言うまでもありません。しかし同時に常に皆さんを温かく見守り育てて下さったご家族の方々、厳しくも慈しみに満ち熱心な指導をしてくださった先生方、そして何よりいつも一緒に学び、時には喧嘩もした友人たちの支えなしにはあり得なかったことではないでしょうか。

 これから皆さんが歩んでいこうとする人生には、数え切れないほどすばらしい出会いや楽しい出来事があります。そして同時に、辛いことや苦しいことも必ずや待ち受けていることでしょう。いつの時代も若者たちの行く手には、様々な困難が待ち受け、その道は決して平坦ではありません。しかし、その時こそが、皆さんの真価が問われる時です。今日まで地道に努力を重ね、大きな壁をひとつひとつ乗り越えてきた自信と、この学院で身につけた豊かな心は、真に強き者として堂々と人生を歩む基礎となることでしょう。

 今年、二〇一八年は、光塩で学び、萩で育った皆さんにとって、大変意味のある、そして大きな節目となる年です。今年は萩光塩学院の設立母体であるメルセス会が創られて八百年、そして明治維新から百五十年にあたる年です。私はこれを機に萩と光塩の歴史について、そしてそのつながりについて考えてみました。光塩の創立者マドレ=マルガリタは、自身の生涯を教育と宣教に捧げ、大きな希望をもって今から約九〇年前にスペインを出発し、日本に来られました。明治維新の精神的指導者であった吉田松陰先生も幕末の混沌とした社会の中にあって、国について、社会のあり方について考え、若者たちを導きながら自らも行動しました。二人は生まれた国や時代は違っても、国のため、人のために何ができるか考え、信念をもって行動した人達です。

 マドレ・マルガリタも松陰先生も若者達に何を伝えたかったのでしょうか。私はその答えを、以前ローマ教皇フランシスコが日本の学生の「勉強で一番大切なことは何ですか」という質問に対して答えられていた中からみつけることができました。ローマ教皇は次のように話されました。「人間は三つの言葉を持っています。それは頭の言葉(知性)、心の言葉(感情)、手の言葉(行動)です。学ぶということはこの三つを調和させ成長していくことです。つまり自分で感じ、考え、行動に移し、他者に奉仕する人になることです。教育に『他者への奉仕』という視点がなければ、それは失敗につながります。」と。

 マドレ・マルガリタも松陰先生も、自分自身の上昇だけを見つめる競争主義や能力主義ではなく、時代を担う若者が、協調や均衡のとれた形で、人として成長することを求められていたのだと思います。この三年間、萩光塩学院の『世の光・地の塩』という建学の精神の元で学んだことは、これからの皆さんにとってきっと大きな財産になるはずです。

 これから皆さんが歩んでいく人生には晴れの日もあり、また時には嵐の日もあるでしょう。どうかいかなる困難、逆境に遭おうとも、これをむしろ成長の場、好機と捉え、人としてのあるべき生き方、光塩で学んだ「自分の周りの人を輝かせる」生き方を追い求めてください。

 今日は皆さんの新たな人生に向けての旅立ちの時です。まなざし高く未来を望み、今という時を懸命に生き、輝かしい第一歩を踏み出そうとしている皆さんに、心からエールを送り、私からのお祝いの言葉といたします。

 

                    平成三十年二月二十八日

                    萩光塩学院高等学校  校長 中村 柔道

      

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