終業式 3月19日(月)

 おはようございます。早いもので、今日で一年が終わります。

 2月28日には高3が、3月10日には中3が、この学校を巣立って行きました。皆さんの協力で本当に素敵な卒業式になりました。ありがとうございます。

 みなさんにとっては、平成29年度はどのような1年だったでしょうか。中1・高1の皆さんにとっては光塩に入学し、それまでの学校生活との違いを感じたことでしょう。中2・高2の皆さんは、自分の夢の方向を定めるのに苦労した一年だったのではないでしょうか。

 さて、今日は皆さんに中国の戦国時代に活躍した儒学者『孟子』の話しをいたいと思います。孟子については、世界史や国語の授業で習ったと思います。その孟子が『無名之指』(『無名の指』)という話を書いています。みなさん自分の手を見て下さい。5本の指があります。もちろんどれも大切ですが、機能的に最も大事だと思えるのはどの指ですか。では反対に、「これはなくてもいいかな」と思えるのはどの指ですか。実際はどれも大切ですが、あまり役にたってないかなと思えるのはどの指でしょうか。なんとなく薬指だと思いませんか。漢文では、その薬指のことを「無名指」と言うそうです。「名前のない指」ということです。孟子はこう書いています「無名の指、屈して伸びざる有り」。薬指は特に痛いわけでもなく、不便なわけでもない。でも曲がってしまって真っ直ぐならなかったらどうしますか。やはりこの指を伸ばしてくれるという人がいたら、どんなに遠くまででも行って治療するでしょう。それは、指が人と違うと恥ずかしいと感じるからです。なぜ恥ずかしいかというと、それは人目を気にするからだと孟子は言っています。みなさんはどうでしょう。人の目は気になりますか。気になりますよね。もちろん私も気になります。人目が気になるからこそ人は皆「おしゃれ」をするのだと思います。

 では、「おしゃれ」とは何でしょうか?私は、以前ある映画の中ですごくおしゃれな女性を見ました。映画のワンシーンで、すごく落ち着いた雰囲気のコンサート会場での場面です。コンサートが始まり、数曲が終わった頃、遅れて女性のお客さんが入ってきました。ちょうど会場は静まりかえっていました。その女性が会場の階段を駆け下りると、ハイヒールの靴音がカンカンカンと会場に響きました。すると次の瞬間、女性は躊躇無く靴を脱いだと思ったら、両手に持って階段を裸足で下りて行きました。何て格好いい女性だろうと思いました。こういう女性を「おしゃれな人」と言うのではないでしょうか。また最近、次のような光景も見ました。本校の女子生徒がテニスコート前の横断歩道を渡ろうと、車の途切れるのを待っていました。しばらくすると、車が止まってくれました。「どうするかな」と思って見ていたら、彼女は車に軽く会釈をして渡っていきました。こういう仕草が自然に出来る人を「おしゃれな人」というのではないでしょうか。

 孟子の話に戻ります。孟子は、特に痛くもなく不都合でもない無名の指が曲がっていたら、人は遠くまで治療に行くのに、心が曲がっている時には、どうして熱心に治療しようとしないのかと。つまり、「おしゃれ」というのは外見のことではなくて、まずは内面のことなのだと思います。中高生である皆さんは、見た目のおしゃれはあまりできません。でも内面はいくらおしゃれしてもいいと思います。

 私たちは何のために学校で学んでいるのでしょう。もちろん、希望する大学や就職先に合格するためということもあるでしょうが、長い人生を考えたら、それは「おしゃれな人間になるため」ということではないでしょうか。いくら流行りの服を着ていても、内面が貧しかったらおしゃれな人とは言えません。むしろ見た目が華やかな分だけ内面の貧しさが際だって惨めに見えます。

 どうか皆さん、心のおしゃれな人になって下さい。今は学生ですから、外見はほどほどにして、内面を磨くということを考えて欲しいと思います。1年の締めくくりに、このことをしっかりお願いしておきたいと思います。

 では、短い期間ですが明日からの春休み、ゆっくり休んで1年間の疲れを取り除いてください。また4月にそれぞれ1学年進級した皆さんと、新鮮な気持ちで会えることを楽しみにしています。

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