朝礼のことば 6月15日(金)

 6月になり、長い雨が続く梅雨(つゆ)の季節がやってきました。やまない雨を憂鬱に感じている人も多いのではないでしょうか?私も、じめじめとした湿気の多いせいで洗濯物がなかなか乾かなかったり体調がすぐれなかったり、玄関が泥だらけになったりと「嫌だな」と感じることがあります。けれど、この季節の雨はこれから続く激しい猛暑の季節を超えていくための大切な「恵みの雨」で、楽しみでもあります。

 みなさんは、「梅雨」はなぜ「梅の雨」と書くのか知っていますか?中国から日本に伝来した梅。「梅雨(ばいう)」という言葉が生まれたのも中国で 、「梅の実が熟す頃に降る雨」や「黴(カビ)が生えやすい時期の雨=黴雨(ばいう)」と呼んでいたが、カビでは語感が良くないので同じ読みで季節に合った「梅」の字を使ったという説などがあります。日本では江戸時代に「つゆ」とよばれるようになりましたが、こちらも植物が雨に濡れる「露(つゆ)」や「つはる(梅の実が熟す)」、梅の実が熟して潰れる「潰ゆ(つゆ)」やカビのせいで物が損なわれる「費ゆ(つひゆ)」など諸説あります。伝来した当初は生で食べていた梅ですが、生の青梅には「アミグダリン」という毒素が含まれているため、試行錯誤し奈良時代は燻製に、江戸時代には塩漬けの形で現在のような赤しその葉で漬けた梅干しが広まることになりました。梅には様々な効能があり、酸味の素であるクエン酸には食欲増進や疲労回復、梅干しの塩分には夏バテや熱中症予防。また、免疫力や代謝をあげる効果もあります。ご飯を炊くときに梅干しを一緒に炊くと菌の増殖を抑えることもできるので、食中毒の心配なこの時期にはぴったりです。不思議とご飯には梅の味はそんなにつかないので、機会のある人は是非一度ためしてみてください。

 ところで、みなさんは「つゆ」の時期をどうすごしていますか?わたしは毎年、季節の手仕事として、梅を漬けることにしています。梅干しや梅酒、甘露煮など漬けるものは年によってさまざまです。仕込みをすると出来上がりが楽しみでつい「早く早く」と気がせいてしまいますが、残念ながらすぐには食べられません。料理をする際には、「待つ」ことを「寝かす」と表現することがよくありますが、梅を漬けるのにもこの「寝かす」時間が必要なのです。ちょっとずるをして早く仕上げることも出来るのですが、ゆっくりと「寝かし」たものの方が味や香りが良く、「寝る子は育つ」という言葉があるように「寝かし」の時間が育つためにはとても大切なんだと感じさせられます。「放置」するのではなく、様子を良く見て、手入れをしながら「待つ」という所がポイントです。皆さんも色々なことにチャレンジして、すぐに「結果」が出なくて焦ってしまう時には、「今自分は、寝かしている時間なんだ」と様子をみながら待ってみてはどうでしょうか?

 梅雨入り(入梅)から梅雨明けまでは約1か月半。食べ物の力も借りながら元気に梅雨を乗り切りましょう!